記事によると、受賞歴のあるラッパーのNasが、非代替性トークン(NFT)をリリースし、自身の2つの曲「Ultra Black」と「Rare」の所有権の一部をファンが保持できるようにする。
「限定デジタル資産(LDA)」と呼ばれるNFTを購入し保持するユーザーは、保持するトークンに応じて、一定割合のストリーミングロイヤリティの所有権を得ることになる。
このLDAは、米著名ミュージシャン3LAU(ブラウ)氏の立ち上げたNFTプラットフォーム「Royal」で販売される。
このプラットフォームは昨年11月に、5,500万ドル(約63億円)の資金調達を実施している。
このRoyalのビジネスモデルは画期的である。
著作権の一部をNFTを購入したユーザーに上げてしまおうというもの。
NFTを購入したユーザーは、その曲から生み出される収益の配分を受けることができる。
自分が初期から応援した楽曲がヒットすると、収益の配分が増えるし、またそのNFTの価値が上がるので、売却すれば売却益が得られる。
一方で、アーティストは、楽曲の権利を直接投資家に販売することで、資金調達が可能となる。
これは音楽業界の中抜きを排除するモデルであり、NFTが生み出した画期的なビジネスモデルと言えよう。
実際にRoyalは10月、このコンセプトをテストするために、3LAUの最新シングルのストリーミング所有権の50%に相当するデジタル資産を、333個のNFTの形でファンに配布した。
このテストは成功で、これらのNFTについて二次市場で60万ドル(約7,500万円)以上の取引が行われ、現在は合計で600万ドル(約7億円)以上の価値が付いているという。
現在12万人がこのRoyalにユーザー登録しているらしいが、楽曲NFTへの投資というこの新しい道は今後ますます広がっていきそうな予感がする。