南米のアルゼンチンは、経済の混乱が続き、通貨が不安定な国である。
2021年のインフレ予想は47.3%と、とんでもない物価上昇が続いている。
今日買った物の価格が来年には約1.5倍となる異常な状態である。
このアルゼンチンで、今回仮想通貨での賃金支払いを認める法案が提出された。
これは労働者にとって朗報であろう。
インフレが続く、アルゼンチンペソで賃金をもらっても、すぐ使わないと、インフレで価値がなくなってしまう。
一方、ビットコインなど仮想通貨であれば、価格は乱高下はすれど、アルゼンチンペソでもらうより、その価値は保たれるであろう。
あの有名な経済学者ケインズは、インフレは見えない税金という言葉を残した。
インフレは通貨の価値が下落し、現金資産が目減りすることだから、まさしく税金を取られているのと同じである。
今回のように、仮想通貨で賃金が支払われると、ある意味見えない税金からは解放される。
私がアルゼンチンの国民だったら、仮想通貨での賃金支払いを希望する。
このように、アルゼンチンのような高インフレ率の新興国は、仮想通貨をインフレヘッジとして利用する国民が後を絶たないであろう。
今後も仮想通貨の価値保存という意味での需要は、増え続けると思われる。