当初7月で予定されていたイーサリアムの大型アップグレード「ロンドン」が、8月4日に実施されることが決まった。
イーサリアム財団のブログによれば、ロンドンのアップグレードでは、以下の5つの提案が実行されるという。
- 手数料モデルの変更(EIP-1559)
- 基本手数料のオペコードの追加(EIP-3198)
- ガスの払い戻しの一部削減(EIP-3529)
- 0xEFから始まるコントラクトの拒否(EIP-3541)
- ディフィカルティボムを2021年12月1日まで延期(EIP-3554)
何のことかわからないと思うが、注目して欲しいのは、「手数料モデルの変更」と「ガスの払い戻しの一部削減」だ。
イーサリアムのトランザクションは今は落ち着いているが、4〜5月はトランザクションの多さに伴い、手数料が高騰して、ユーザーが取引に二の足を踏む状態であった。
これは、イーサリアムの現状の手数料モデル(オークション形式)に問題があったからだ。
オークション形式とは、取引を速く処理してもらいたいユーザーが、それだけ高い料金をマイナーに払うことで優先権を得るような仕組み。
この仕組みだとトランザクションが増えると、異常なまでに手数料が上昇してしまう。
そこで今回は、ネットワーク全体の標準料金を採用。標準化された手数料は、ネットワークのアルゴリズムによって設定され、市場が混雑している時には上昇し、空いている時には下がる設計となる。
オークションで手数料を自由に決めるのではなく、標準化された手数料が提示される仕組みなので、異常な手数料の高騰は抑えられる。
また、今回はイーサリアム側に支払われた手数料の一部を焼却するので、その分、イーサリアムの供給量が減少することになる。
供給量が減少すれば、自ずと、価格は上がりやすくなる。
このように、今回のアップグレードは、イーサリアムに良い意味で、かなりのインパクトを与えるものである。
イーサリアムのアップグレード以降の状況について注視していきたい。