南米アルゼンチンは、インフレ率が60%近くまで上昇している。
アルゼンチンという国は、アルゼンチンは広大で肥沃な国土に恵まれ、農業力が強かった。
1860年から1930年にかけて力強い経済成長を果たしており、この時期の1人当たり国民所得はカナダとオーストラリアを上回っていた。
1913年には1人当たりの国民所得で世界10位に入る裕福な国であった。
その後、工業国への転身に失敗し、肝心の農業でも比較優位を保てなったり、独裁政権の誕生など、政情が安定しなかった。
財政面では9度のデフォルトを経験し、国際金融市場から締め出されている状況である。
こんな中、アルゼンチンの通貨ペソは下落を続けており、過去5年でみても通貨の価値は7分の1になっている。
アルゼンチンの国民にとって、価格が大幅に下落するペソは信用ならず、価値保存手段として役に立たない。
資産をどう守っていくかと考えた場合、金やビットコインなどの仮想通貨に替えて保有した方が自国の通貨ペソを保有するよりはるかに安全である。
アルゼンチンの国民にとって、ビットコインが上がらなくても、同等の価値を維持してくれただけでありがたいということだ。
現在、仮想通貨の普及率は約12%で、同じく南米のブラジルやペルーの2倍とも言われている。
このような中、政治的にも今は仮想通貨に規制をかけず、容認する方向である。
ビットコインを法定通貨にしたエルサルバドルのように、今後同様な動きが起こるかもしれない。
普及率とこれまでの歴史的経緯から考えて、仮想通貨大国になれる可能性は十分あるといえよう。
翻って円の下落が激しい日本ではあるが、インフレ対策をとる人も増えてきた。
どんなにインフレが進もうが、円は国際通貨の一つであることから、法定通貨が円からビットコインに変わることはないが、国民がインフレ対策として仮想通貨を受け入れる日は近い将来くるであろう。
今後、1〜2年で、日本も仮想通貨の普及率が一気に高まるかもしれない。