今年の5月頂点の仮想通貨市場の盛り上がりは、イーロン・マスクが率いるテスラがビットコイン1,600億円購入したことを発表してから始まった。
この盛り上がりを冷やしたのは、5月12日のイーロン・マスク氏のツイートがきっかけだった。
内容は、ビットコインのマイニングへの電力消費とそれに伴う環境への懸念からテスラのBTC決済を停止するというもの。
この流れでテスラのビットコイン売却の憶測も流れた。
実際は保有の10%は売却していたらしい。
6月4日には、以下の記事で記載したツイートがビットコインの価格を一層押し下げた。ビットコイン市場がイーロン・マスクのツイートに一喜一憂しているおかしな状態だ。
そして、今回、またまた、イーロン・マスクの下記ツイートが影響して、ビットコインは2週間ぶりの高値を付けた。
テスラ社のイーロン・マスクCEOが14日、再びビットコインの決済を再開する可能性に言及した。仮想通貨のクリーンエネルギー使用率が50%に達したタイミングで、テスラ社で一時的に停止した決済再開の許可を行うとコメント。
ビットコインだけでなく、仮想通貨市場全体がイーロン・マスク氏の発言に振り回されている状態が続いている。
では、イーロン・マスクはなぜ、そこまでビットコインにこだわるのか。
投資で儲けたいからなのか?
イーロン・マスクはそんなちっぽけなことを考えていない。
イーロン・マスクは、今はテスラの電気自動車や宇宙ロケットを飛ばす会社を運営しているが、もともとPAYPALという約3億人が利用する個人間決済のサービス会社の創業者から始まった。1998年の設立である。
PAYPALの発想は、ビットコインと同じPtoP決済から始まっていると思う。ただ、当時から既存の銀行の規制が強いため、完全なPtoP決済にはできず、銀行口座やクレジットカードを通すやり方に留まっている。
この時から、既存の銀行を通さないPtoP決済サービスを夢見ていたのであろう。
ここにきてビットコインの登場と仮想通貨市場の盛り上がりから、真のPtoP決済へ移行する環境が整ってきたのを見て、この市場に再参入したのだと思う。
既存の中央集権的で非効率な金融システムをぶっ壊して、新しい金融のエコシステムを作っていくのが、彼の真の目的だ。
ビットコインに対する度重なるツイートはその始まりではないか。