ヘッジファンド業界のパイオニアとして知られるポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones)氏は14日、米連邦準備制度理事会(FRB)が消費者物価の上昇に無関心であれば、「インフレを意識したトレードに全力で取り組む」とCNBCに語った。
インフレヘッジとして、コモディティ、暗号資産、ゴールドをポートフォリオに組み込むという。
彼の運用資産残高は446億ドル(約5兆円)、既に1〜2%をビットコインに投資している。
「確実に言えることは、ゴールドに5%、ビットコインに5%、現金に5%、コモディティに5%を割り当てたいということだけ」と語っている。
日本にいると、彼の言っている「インフレを意識したトレード」の実感が湧かない。
なぜかというと、日本はこのコロナの状況の中、世界で唯一のデフレの国だからである。
世界がコロナ対策で巨額のマネーを刷って国民に配って、インフレになっているのに、日本だけがデフレだ。
下記のツイッターから引用した表の「CPI YoY」の列を見ると、上から4番目のJAPANが「−0.4%」と唯一、マイナスになっているのがわかる。
ちなみに10番目のアメリカはインフレ率5%である。
Global Central Bank Update:
— Charlie Bilello (@charliebilello) 2021年6月11日
-Russia hikes rates for the 3rd time this year, 50 bps increase to 5.50%. pic.twitter.com/Z6eUOKCKFN
日本がデフレだが、世界はインフレなのだから、今回ヘッジファンドの彼が言うようにインフレ対策に取り組むというのは、当然の流れであろう。
これまで、インフレヘッジの手段としては、ゴールドやコモディティをポートフォリオに組み込むというのがセオリーであったが、今はそこに暗号資産を加えていくという。
大口の機関投資家に、既にインフレヘッジの資産としてビットコインのような暗号資産が認められたということがわかる。
今回の5月の暗号資産の急落で、今は機関投資家も一旦手を引いて様子を伺っているが、今後は、インフレヘッジの手段として暗号資産を一定量ポートフォリオに組み込むために少しずつ、購入していく流れとなろう。
日本は今はデフレなので、将来のインフレの心配なんかせず、現金を持っていれば問題ない。
ただ、世界はインフレでインフレヘッジを考える局面であり、そのヘッジ手段として暗号資産(仮想通貨)が選択されていることは認識しておいた方が良い。
そうでないと、世界の潮流に取り残されることになろう。