イーサリアムの創設者を知っていますか。
記事にもあるように、現在27歳のヴィタリック・ブリテン氏でロシア系カナダ人である。
2013年、当時若干19歳で、現在のイーサリアムの原型のホワイトペーパーを書き上げている。
父親がコンピューターアナリストで、2011年に父親からビットコインについて聞き、ビットコインに興味を抱き、2012年にビットコインマガジンという雑誌の編集を始めたのがきっかけのようだ。
2014年に、ピーター・ティール(Paypal創業者)の起業家育成プログラムに選ばれ、10万ドルの資金を受け取ってイーサリアムの開発を本格化させた。
そのイーサリアムの価値が今や約40兆円になっている。
トヨタの時価総額が27兆円なので、構想から10年も経たないうちにトヨタの価値を超えたものを作ったことになる。凄い若者だ。
もちろん、イーサリアムは、ビットコインの分散型の思想を取り入れて作ったもので、まったくゼロから作ったものではない。
ただ、このヴィタリック・ブテリンの凄いところは、
ビットコインの思想に、スマートコントラクトとい契約条件の締結や履行がプログラムによって自動で実行される仕組みを取り入れたこと、
イーサリアムの規格を使って、ブロックチェーン上のアプリを誰でも開発できる環境を整えたことであろう。
ビットコインをビットコインのままにしていたら、それこそただの仮想通貨で終わっていて、ここまでブロックチェーン業界が発展していなかった。
そういう意味で、ブロックチェーンの生みの親と言える。
現在、Cardano、Polkadot、BSCがイーサリアムキラーとして競合に名乗りを上げているが、前者2つは、もともとイーサリアムの共同創業者であった2人が別々に作ったもので、イーサリアムから派生しており、革新的なわけではない。
ヴィタリック・ブテリンも打ち手はわかっている。
BSCは、バイナンススマートチェーンで、イーサリアムの処理件数を早くして、手数料を安くしただけである。こちらも革新的なサービスではない。
そもそもプライベートチェーンだから、思想が違う。
イーサリアムもブロックチェーンのスタンダードのようにここまで利用されてくると、ビジネス開発者やプログラマーはイーサリアムが所与の物と考えざるを得ないであろう。
ヴィタリック・ブテリンが作ったイーサリアムは、今やブロックチェーン業界のOSになっている。
使い勝手の悪いマイクロソフトのWindowsがいまだにPCのOSの覇権を握っているように、イーサリアムも少々使い勝手が悪いからといって、そう簡単にはその場を明け渡さないように思う。
ビルゲイツが天才のように、そんなイーサリアムを作ったヴィタリック・ブテリンもやはり天才なのだろう。