米欧がロシアのSWIFT排除で合意した。
SWIFTというのは、世界の金融の最終決済をする決済網のこと。
これから排除されると、国際間の金融取引、貿易決済などが実質できなくなってしまう。
これが経済制裁としては最も効果がある。
ただ、全面的に排除してしまうと逆にヨーロッパが大変なことになってしまうので、一部の銀行としている。
なぜ、大変なことになるかというと、ドイツをはじめヨーロッパ各国はロシアとの貿易関係が深い。
天然ガスなど資源をロシアから購入して、自動車はじめ製品をロシアに輸出している。全面的に国際間決済を止めてしまうと、ヨーロッパの経済が止まってしまう。
一部の銀行としたのはそこは、ヨーロッパとロシアの暗黙の了解なのであろう。
一部であってもSWIFT排除はロシアにとっては堪えるのであろうから、ロシアも別の道を考えなければならない。
中国がSWIFTに対抗してCIPSという人民元の国際間決済システムを稼働させているから、中国経由で決済をする方法がある。
また、あとは仮想通貨を使う方法である。
ロシア市民の仮想通貨保有額は23兆円にもなる。世界の11%と巨額だ。
ロシアは当初仮想通貨に慎重姿勢であったが、今回の件を受け、仮想通貨を認める方向で動いている。
逆にヨーロッパはこの仮想通貨規制を強化して、ロシアとの仮想通貨取引を封じ込めようとして動いている。
このように今回のウクライナ紛争でもわかるように、民間の人たちは、これまでの中央集権的な銀行間決済に頼るのではなく、自分達で仮想通貨を保有し、仮想通貨での国際決済手段を確保してきた。
世界が乱れれば乱れるほど、この仮想通貨の需要は拡大していくのではないか。
10年ほど経てば、通貨という概念が大きく変化しているのかもしれない。
資産保全を法定通貨に頼るのではなく、資産保全の自衛手段を持つよう頭の切り替えが必要であろう。