■ 前日の市況
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●株式
中国 上海A株
3,035.87
(+0.15)
香港ハンセン
22,899.78
(-221.28)
ドイツDAX指数
7,400.04
(+3.41)
NYダウ
12,226.64
(-41.55)
日経平均
10,746.67
(+21.13)
日経225先物(シカゴ)
10,760
(-5.00)
●為替
通貨の強弱(弱→強)
(円→ドル、ユーロ)
ドル−円
83.81
(+0.52)
ユーロ−円
112.99
(+0.66)
ユーロ−ドル
1.3482
(+0.0000)
●債券
米国10年債
3.60%
(-0.02%)
日本10年債
1.31%
(-0.01%)
●商品
NYMEX原油先物
84.29
(-0.65)
NYMEX金先物
1,374.80
(+13.60)
■ コメント
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(アジア)
中国株は横ばい、香港株は下落。
中国の1月の消費者物価指数は、予想を下回る4.9%の上昇に留まった。
ただ、インフレ圧力は依然強く、金融引き締めの方向性は続くとの見方から、株価の上値は抑えられた。
(欧州)
欧州株は小幅上昇。
英バークレイズ、仏食品大手ダノンの決算が市場予想を上回ったことを好感して上昇したが、フランス、ドイツのGDP成長率が市場予想を下回ったことや高値警戒感から、上値は抑えられた。
(米国)
米国株は下落。
米中の経済指標から景気先行き不安が台頭し、売りが優勢となった。
この日発表された1月の米小売売上高が前月比0.3%増加と市場予想を下回ったことや、前述した中国の消費者物価指数の上昇が市場心理を圧迫した。
(まとめ)
欧米中と経済指標が今一つだったことから、上昇圧力は抑えられた格好。
ただ、悲観する内容ではないので、引き続き、相場は底堅く推移しよう。
本日の日経一面で、トヨタがアジア向けの低価格小型車を生産するため、インドネシアに200億円を投じて新工場を建設するという記事が載った。
最近、日本をはじめとしたのグローバル企業が、ASEAN(東南アジア諸国連合)に、アジア向け製品を生産するための生産拠点を作る動きが活発化している。
理由は明快で、ASEAN諸国は、ASEAN諸国間、中国、インド、韓国、日本、オーストラリア等アジア諸国と既に、FTA(自由貿易協定)を発効しており、関税を課せられることなく、アジアの約30億人の市場に製品を輸出できるからである。
例えば日本で生産してこれらのアジアに製品を輸出するより、ASEANで生産して輸出した方が、関税もなく、人件費等生産コストも低いので、より低価格で商品を顧客に販売できるのである。
こういう動きが活発化すると、ASEAN諸国はグローバル企業の生産拠点として、中国の次の世界の工場になるという流れも期待できよう。
逆に、日本から生産拠点がASEAN諸国に移ることで、日本の雇用はなくなり、日本の景気にとってマイナスの影響が大きいであろう。
投資という観点でいえば、日本の円資産を、今後世界の工場として成長が期待できるASEAN諸国に、一部移しておくというのも一つの考えではないかと思う。