イーサリアムが7月頃にアップグレードを実施する。
その中で、手数料の改善案を出すそうだ。
イーサリアムは、仮想通貨のOSのようなもので、仮想通貨の多くはイーサリアムのブロックチェーン上で動いている。仮想通貨市場で話題のDeFiやNFTの銘柄の多くのトランザクションは、イーサリアムで処理していることになる。
イーサリアムの手数料は、オークションスタイルとなっており、マイナーと呼ばれるトランザクションを処理する人たちは、手数料の提示額が高いものから処理していく。
イーサリアムにトランザクションが集中した場合、ユーザー側は早く取引を処理してほしいので、高い手数料を提示する傾向にあった。この2月には、1取引の手数料がこれまでの最高額の20ドルに達した。
こんな状況だから、手数料をもらうマイナーはボロ儲けだった。
このユーザー側に不利な手数料の高騰により、例えば、DeFiの新しいプロジェクト等がイーサリアムではなく、手数料の安いバイナンスのブロックチェーンで提供されるなど、ユーザー離れもおきつつあった。マイナーからみたら高い手数料でボロ儲けしていたが、そのせいでユーザー離れがおき、取引量が少なくなってしまう本末転倒の状況が生まれつつあった。
今回のイーサリアムの改善案は、この手数料体系を改善した内容になっている。
オークション形式ではなく、トランザクションの状況によって予め決められた標準化された手数料体系を導入する方向となった。
マイナー側は反対しているものも多いようだが、イーサリアム全体が今の地位にとどまるには、今一番の課題である手数料の高騰を改善した方が良いので、今年7月のアップグレードで導入すると合意したようだ。懸命な判断だと思う。
このイーサリアムの地位を脅かす存在として、Polkadotやバイナンスブロックチェーンがあるが、イーサリアムが一番のネックであった手数料問題が解決したとすると、当面、これらがイーサリアムにとって代わることは難しいであろう。