ティファニーは人気NFTコレクション「CryptoPunk」の保有者を対象に、特注のペンダント250個を30イーサリアム(ETH)、およそ5万ドル(約680万円)で販売する。
販売は8月5日から。CryptoPunkの保有者のみが現物のペンダントと交換可能なNTFを購入できる。
完売すれば1,200万ドル(約16億4000万円)以上の売上となり、NFTが再販されればさらに利益をあげることができる。
これはNFTを利用した新しいマーケティング手法とも言えよう。
CryptoPunkの保有者は、現在1万人。
現在NFT市場では1つ80ETH(1,800万円)で売買されている高額なNFTである。
このNFTを保有している人達は、当然ながら、富裕層ともいえる。
デジタルデータを1,800万円で購入できる人達だから、普通の富裕層でもなく、超富裕層といった方が良いのかもしれない。
この顧客名簿はないが、CryptoPunkを持っている人のウォレットアドレスは、イーサリアムブロックチェーン上でオープンになっているので、ある意味誰でもこの超富裕層にアクセスはできるのである。
何かをエアドロップしたり、ホワイトリスト(NFTの優先購入権)を配ったりすればアクセスは可能である。
今回はどのようにNFTを販売するか詳細はわからないが、250個限定で、CryptoPunks保有者限定ということであれば、保有希望者をOpenSea(NFTマーケット)などで募集すれば、保有者の中でNFT獲得競争になり、すぐ集まるのではないか。
CryptoPunks保有者からすれば、このNFTをアイコンにすれば、より格好いい感じがする。
超富裕層であれば、そういう人が250人はいるであろう。
同様の手法は例えばBAYCなど他の高額NFT保有者向けにも応用できる。
今後、このように、あるNFT保有者に限定したマーケティング手法に、企業もどんどん参入してくるであろう。
プロモーションを受けるNFT保有者も、別に自分の名前や住所が記載された個人情報のリストからアクセスされているのではないから、個人情報の保護という観点から気が楽である。
今後は、実際の自分という存在より、仮想の自分(ウォレットアドレスに紐づいたアバター)がより重視される世界になるのではないかと思う。
これがメタバースの世界の幕開けではなかろうか。