10月13日、大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が、伊セリエA加盟のサッカークラブであるSSラツィオ(Società Sportiva Lazio)のファントークン「LAZIO」を発行することとなった。
バイナンスはファントークン発行にあたり、「バイナンスファントークンプラットフォーム(Binance Fan Token Platform)」を公開している。
発行にはバイナンスの独自ブロックチェーンであるバイナンススマートチェーン(BSC)上にネイティブトークンであるBEP-20規格が利用される。
仮想通貨界の巨人、バイナンスが本格的にNFT市場に力を入れ始めた。
自身と関連性の強い、バイナンススマートチェーンに約1,100億円も投資するらしい。
知っての通り、暗号資産は全てどこかしらのブロックチェーン上でその存在が証明される。
NFTもそのオリジナル証明は、ブロックチェーン上に存在する。
逆に言えば、そのブロックチェーンが運営されなくなり、なくなってしまうと、そのブロックチェーン上の資産は価値を失う。
なので、暗号資産はどこのブロックチェーン上に乗っているかが重要と言える。
今、NFTも含め、暗号資産の発行で最も利用され、信頼されているのが、イーサリアムブロックチェーンである。1億7,200万人のユニークアドレスを抱える。
ただ、あまりにもイーサリアムに集中しすぎて、手数料は高騰、処理速度は遅いという問題を抱えていた。バージョンアップで少しはマシになったが。
バイナンススマートチェーンは、イーサリアムに対抗し、バイナンス主導で立ち上げたブロックチェーンで、今や約1億人のユニークアドレスを抱え、取引件数では1日630万件とイーサリアムの約6倍の規模になっている。
処理件数も早いし、なんせ手数料がイーサリアムに比べ破格に安いから特にDeFiに利用される。
これだけ聞くと、バイナンススマートチェーンが良いのではと思ってしまう。
通常のトークンを保有し、売買するのであれば、特段バイナンススマートチェーンでも問題ないが、ことNFTを保有する場合は、よく考えた方が良い。
NFTはオリジナルの証明なので、世の中でたった一つしかないという証明である。
その証明をどのブロックチェーンでするかが重要である。
ブロックチェーンには、大きく分けて、プライベートブロックチェーンとパブリックブロックチェーンがある。
バイナンススマートチェーンは、プライベートブロックチェーンに分類される。
イーサリアムはプライベートブロックチェーンである。
バイナンススマートチェーンはプライベートブロックチェーンなので、バイナンスという存在がなくなると、将来どうなるかわからない。
NFTはオリジナルの証明で、末長く、証明してもらうことが前提にないと困る。
NFTが乗っているブロックチェーンがなくなってしまったら、無価値になってしまうからである。
その点、イーサリアムブロックチェーンはパブリックブロックチェーンであり、最も利用者や開発者が多いチェーンなので、将来なくなることはほぼ考えられない。
ブロックチェーンの信頼性は圧倒的だ。
手数料がべらぼうに高くても、NFTをイーサリアム上で発行するのはそういった理由からであろう。
NFTを発行したり、NFTを長く保有することを前提にした場合は、NFTがどのブロックチェーンに乗っているかがとても重要という話でした。
ご参考までに。