USDT(テザー)というステーブルコインの代表格がある。時価総額は6兆円、ステーブルコインの中でのシェアは圧倒的で仮想通貨投資家なら誰もが保有している通貨である。
ステーブルコインとは、単純にいえば、価格変動のない仮想通貨といったもの。
仮想通貨は価格変動が激しいので、決済をしたり、決済の待機資金を置いたりするには向かないと言われている。
ただ、ステーブルコインは価格変動がないので、この利用目的に適している。
では、このUSDT(テザー)は何が問題になっているのか。
ステーブルコインの場合、価格変動を抑えるために、裏付け資産を保有してそれを担保に発行する仕組みである。
USDT(テザー)の場合、裏付け資産は100%USD資産と説明しているが、資産が開示されていなかったので、本当に裏付け資産を保有しているのかなど疑惑が絶えなかった。
今回、その裏付け資産が公開され、その資産内容に市場は疑問を感じ始めている。
詳細は上記のリンク記事を見てほしいが、確かにドル資産は保有しているが、そのドル資産は意外にもCPなど信用リスクを取る資産が入っているという。
通常裏付け資産は、米国債や銀行預金など信用リスクの取らない資産を保有すべきなのだが、相応のリスクのある資産で大半を保有していたのである。
だからといって、今、すぐこのUSDT(テザー)を売却しろといっている訳ではない。USDT(テザー)は、信用リスク資産であるということを再認識し、全ての待機資金をUSDT(テザー)だけに固めるのではなく、他のステーブルコイン、例えばUSDCやBUSDも保有して分散を図っておくべきかなと思う。