はじめに
暗号資産「TON(The Open Network)」は、メッセージングアプリ「テレグラム(Telegram)」と深く関係しているブロックチェーンネットワークです。
元々テレグラムが開発していたTONは、分散型金融(DeFi)の推進や暗号通貨取引を簡便にすることを目的として誕生しました。
現在は、テレグラムとは独立した形でオープンソースプロジェクトとして展開されていますが、その影響力はテレグラムのユーザーベースと連携することで急速に拡大しています。
テレグラムの「ウィーチャット化」と暗号資産の役割
テレグラムは、単なるメッセージングアプリから、「ソーシャルメディア、決済、金融、エンターテインメント、ゲーム、コミュニケーション機能」を包括的に提供するアプリへと進化を遂げつつあります。
これは、中国の人気アプリ「ウィーチャット(WeChat)」がたどった道と似ています。
特に、テレグラムはTONと連携することで、暗号資産取引やウォレット機能を提供しており、これが他のアプリとの差別化の要因となっています。
仮想通貨取引所ビットゲットのCEO、グレイシー・チェン氏によれば、暗号通貨の採用がテレグラムの大きな成長基盤となっているといいます。
彼女は「仮想通貨の採用がテレグラムを他のソーシャルメディアと一線を画す要素であり、私たちがオープンネットワークエコシステムに接近したいと考える理由の一つだ」と述べています。
アフリカ新興市場での急速な普及
特にアフリカの新興市場では、テレグラムの普及が急速に進んでいます。
ナイジェリアやエジプトでは、成人の約半数以上がテレグラムを利用しており、この成長の一因として「タップ・トゥ・アーン」形式のミニゲームが挙げられます。
こうしたミニゲームは、ユーザーが簡単に報酬を得ることができる仕組みですが、チェン氏によれば「これは持続可能な戦略ではない」とも指摘しています。
この成長は短期的な要素に依存しているものの、テレグラムは今後も金融機能や暗号資産取引機能を強化していくことで、より堅実なユーザーベースの維持を目指しています。
「TON」とテレグラムの今後
テレグラムは今後、暗号通貨やDeFiを主流化させるための重要なプラットフォームとなる可能性があります。
GSRが発表したレポートでも、TONがデジタル資産エコシステムへの参入障壁を下げ、一般のユーザーが暗号資産にアクセスするための手段として魅力的であると強調されています。
特に注目すべきは、テレグラムの既存の大規模なユーザーベースとTONの暗号通貨機能が組み合わさることで、暗号資産が日常的なものとしてさらに広がる可能性がある点です。
まとめ:TONがもたらす未来
暗号資産TONは、テレグラムの成長に欠かせない存在であり、特に新興市場での普及とともにその影響力を強めています。
テレグラムが金融機能やエンターテインメント機能を強化する中で、TONはその中心的な役割を果たし、将来的にはウィーチャットのような「すべてを網羅するアプリ」へと進化する可能性を秘めています。
また、今のミームコインブームは「SOL」チェーンが中心ですが、その手軽さから「 TON」チェーンでの発行も増えてくると予想します。
暗号資産投資を考える初心者にとって、テレグラムとTONの成長は今後の投資機会として注目すべきポイントかもしれません。
参考:TONのチャート
(出所:コインマーケットキャップ)