11月23日のTradingViewの市場データでは、ビットコインがトルコリラに対して史上最高値を更新したことが確認された。
10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で19.89%上昇した。
世界的にそうだが、トルコ経済は急激なインフレに見舞われている。
もともとトルコは貿易赤字国で輸入超過の国である。
こういう新興国はインフレになりやすい。
また、トルコはエルドアン大統領という独裁的な政治をする大統領が存在する。
トルコリラという法廷通貨の信任を守る中央銀行総裁もエルドラン大統領が思いのままに操っている。
今回のように通貨の信任が薄れ、対ドルで通貨が下落している時は、一般的には急激な通貨安を防衛するために、金利をあげる政策をとる。
ただ、今回はエルドアン大統領の意向を受けて利下げに踏み切った。
結果、トルコリラは対ドルで急落した。
これでトルコリラは今年の3月以降、価値の3分の1を失っている。
ちなみに以下のグラフは、ドルの対トルコリラチャートであり、上に行けば行くほど
対ドルでトルコリラが下落していることを示す。
このような場面で、もし、自分がトルコにいたらどういう動きをするのだろうか。
せっかく働いて稼いだトルコリラの価値が激しく目減りするとしたら、目減りしない通貨を持って資産を守るであろう。
ドルに資産を移すか、ビットコインを買うかであろう。
現状、対ドルベースでビットコインが上がっていることを考えると、ドルというよりもビットコインで保有すると、資産が守られる。
そんな理由からか、対トルコリラのビットコインの価格は、以下のグラフのように推移し、史上最高値を更新している。
ただ、トルコでは、エルドアン大統領が9月に仮想通貨に対して「戦争」を宣言して、国内取引所を強行に閉鎖したりと、手荒い処置をとっている。
このようにトルコの仮想通貨市場および業界は困難な時期に直面している。
中国、インド、トルコなど新興国は、仮想通貨を自国通貨にとって悪と決めつけ、締め出そうとしている。
とはいっても世界は、仮想通貨を容認し、ブロックチェーンの新しい技術の発展を支援していこうという流れである。
国が禁止しても抜け道はいくつもあり、国民が望む限り、この流れを完全に止めることはできないであろう。
それほど、300兆円の暗号資産市場は無視できない市場に成長し、DeFi、NFT、メタバースなど、今後も一番の成長ドライバーになり得る市場だからである。
今回のトルコの強行な処置は、当面、仮想通貨業界には暗い影を落とすが、中国もインドもトルコもいづれ仮想通貨を認める日が来るであろう。