バイデン政権が、ドルを裏付け資産とするステーブルコイン発行者に銀行と同様の規制をかけようとしている。
10月末に報告書に盛り込む。
ステーブルコインは現在1,280億ドルの市場規模でその半分以上をテザーが占める。
先週初め、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)のようなステーブルコインがマネーマーケットファンドと同じカテゴリーで規制されるべきだと語った。
併せて仮想通貨自体を全面禁止することはないとも語った。
では、ステーブルコインだけ、なぜ、こんなに厳しい規制をかけようとしているのか。
ドルを裏付け資産とするステーブルコイン発行者は、発行する同額のドル資産を保有する。
テザーであれば6兆円近いドル資産を保有していることになる。
その資産が全て米国債であればそれほど問題ではないが、実際はCPなど信用リスクがある資産を保有している。
規制がないから、本当にドル資産を保有しているかどうか、どのドル資産がどれだけリスクを伴うものかもわからない。
もし、その資産が暴落して価値を失ったとすると、その保有しているステーブルコインの価値も毀損してしまうため、ステーブルコインの保有者が損失を被ることになる。
取り付け騒ぎが起きた時は、すぐドル資産を売却できるかという流動性の問題もある。
このようにもし、テザーで6兆円の取り付け騒ぎが起これば、金融システム全体にも少しからず影響が出てくる。
金融システムを守りたい中央銀行であれば、当然ながら未然に防ぎたいだろう。
こんな理由から、ステーブコイン発行者に規制をかけて、資産の中身を監視したいというのが今回の規制の趣旨である。
個人的には、ステーブルコインは規制をかけて、チェックしてもらったら良いと思う。
保有者はかえってその方が安全で安心するであろう。
もし、この規制が入ったとしても仮想通貨全体に及ぼす影響は限定的と思われる。