上記は、今人気のUniswapという分散型取引所の画面の一つです。
仮想通貨の取引所には、中央集権型と分散型の2つのタイプがあります。
中央集権型の取引所は、その取引所に口座を保有し、口座の中に仮想通貨を入れて取引するタイプです。証券会社に口座を保有し、株式を売買するようなイメージです。
一方、分散型取引所は、ウォレットという個人の財布に仮想通貨を入れたままにして、取引するタイプです。
この2つのタイプは、取引所に資産を移すか移さないかという違いがあります。
中央集権型取引所のメリットは、取引する人が資産を移すので、多くの通貨や資産が集まり、売買の流動性が保たれるというところです。株式売買でいうオファーとビットの板が立ちやすいのです。
その分デメリットは、資産を取引所に移すので、その取引所のハッキングリスク等を負うというところです。
コインチェックで約580億円という大量のNEMという仮想通貨がハッキングされたのは記憶に新しいと思います。
一方、分散型のメリットは、資産を取引所に移さないので、取引所のリスクを負わないというところです。
その分、デメリットは流動性がないというところです。オファーとビットの板が少なくて価格がブレやすいということです。
これまでの主流は、中央集権型取引所で、分散型取引所は、流動性がないというデメリットが大きくて、ほとんど利用されてませんでした。
ここに、一石を投じたのが、2018年11月にサービス開始された分散型取引所Uniswapです。
通常は売りたい人の価格、数量と買いたい人の価格、数量をマッチングするのが取引所なのですが、Uniswapはこの方式をとらず、ある数式で自動で決めた価格で取引をさせます。
でもこの方式だと、多くの種類の通貨を大量に取引所が在庫として準備しなければいけなくなります。
Uniswapは、自分で在庫を保有せず、この在庫を提供する人を募集し、その人に取引手数料0.3%を収益配分することにしました。在庫提供者(流動性提供者)は、資産をUniswapにロックさせる(流動性を提供する)ことで、手数料が稼げるので、多くの人がこの在庫提供者になり、流動性が担保されるようになりました。今やUniswapのこの流動性は4,000億円にもなります。
これで分散型取引所で取引する人は、資産を取引所に移すことなく、取引ができ、かつ流動性が担保され、いつでも取引が可能となったので、Uniswapの利用者は増え続け、取引量も増加していきました。
このUniswapの登場により、分散型取引所が一気に人気となり、中央集権型取引所から分散型取引所へ取引が移行し始めています。
この近年のDeFi(分散型金融)の盛り上がりは、決して一過性のものではなく、今後も加速すると思われますので、注目していきましょう。