【以下、先日の麻生大臣とフジテレビ記者とのやりとり の抜粋】
記者「あらためて一律での再支給についての所見を」
麻生財務相「これ税金でやると思ってる? その発想が間違いなんだよね。国債発行しているんだから、政府の借金でやるんだよ」
記者「国民からそういう声が出ていると...」
麻生財務相「じゃあ、これは税金ではありませんよ。借金でやっているんですよということを言われたら、どうです? 後生の人たちに、さらに借金を増やすということですか? あなたのために、あなたのご子孫に借金を増やしていくということでしょうか? という点をフジテレビで言われたらどうです?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これを読んでどう思いますか。明らかに考えが間違っていませんか。わざと間違っているのかなとも思います。
確かに、政府が国債発行で借金をして給付しているのは事実で総額13兆円ほどになります。ただ、政府が国債を発行して国民の預金口座に13兆円直接振り込んだので、国民の預金は13兆円増えています。
つまり、マネーストック(マネー供給量)が13兆円も増えたことになる。以下にマネーストック(M3)の月次推移のグラフがありますが、実際5月から7月にかけて大きく増えている。大量のお金が供給されたのです。
国民の預金が増えた13兆円分、全部が消費に回るわけではないですが、手元の預金が増えた分、お金を使う不安感は少しは和らぎ、消費が大きく落ち込まなかったことになります。
もし、これがなかったら、消費は大きく減少して、世の中に資金が回らず、国民の所得(給与など)が大きく減少していたでしょう。
その意味で、政府が借金をして国民にお金を供給したのは、大きな効果があったといえます。
次に、麻生大臣の発言の後半部分、「子孫に借金を残す」という部分ですが、この考え方が間違っている。
あくまでこの借金は、政府が借りた円建ての借金であり、国民が借りたものでもないし、外国から借りたものでもない。政府が子会社の日銀に国債を買い取らせればそれで借金は実質なくなります。
そんなことしたら、インフレになるではないかとの指摘もありますが、今は物やサービスの供給に対して、需要が大幅に減少している状況(供給>需要)なので、このくらいの通貨発行でインフレになんかなりません。
ということは、麻生大臣の言っている子孫に借金を残すことはありません。逆にこれをやらなかったら、不況で所得減少する世の中を後世に残すことになります。
そっちの方が問題ではないでしょうか。
麻生大臣、誤った考え方を国民に植え付けるのはやめて下さい。