日本は借金が多く、このままでいくと破綻してしまう。
財政を健全化しよう。
そのためには、毎年の財政を黒字化しなければいけない。
といった話が、新聞等で頻繁に叫ばれています。
コロナになって、トーンダウンしていますが、政府は2025年度までにプライマリーバランスを黒字化するという目標は堅持しています。
プライマリーバランスの黒字化とは、簡単にいうと、その年の 歳出(借金返済の支出は除く)を税収で賄える状態(歳出>税収)を指します。国が使うお金を国に入ってくる税収の範囲内に収めたのだから、黒字ということです。
これって、モズラーの名刺の例えで考えると、とんでもないことを目指しているということがわかります。
統合政府である両親 と 民間の子供たち3人 がいました。
両親は1,080枚の名刺を発行しており、子供たちは1人あたり360枚の名刺を保有しております。
これまでの9年間、税金は 毎月1人あたり名刺10枚です。1年間で120枚になります。両親は毎年480枚の名刺を発行(歳出)していました。
両親のプライマリーバランスは 毎年 120枚の赤字です(360枚-480枚)。
ただ、子供たちは、毎年120枚の黒字(1人あたり40枚の黒字)で民間の名刺が毎年120枚ずつ増えていました。
9年間で両親は1,080枚の名刺を発行し、子供たちは1人あたり360枚、計1,080枚の名刺を保有できました。
ここで、両親は毎年子供たちの名刺が増えるのは、子供の教育にとって良くない?名刺が増えすぎて印刷できない⁈(理由はわかりません)と思ったのか、プライマリーバランスを黒字化する決定をしました。
税金を毎月1人15枚(年180枚)、3人で年540枚に増税をして、名刺の発行(歳出)を360枚に減らしました。
プライマリーバランス= 540枚(税収)-360枚(歳出)=180枚の黒字
プライマリーバランスは、120枚の赤字から180枚の黒字に改善しました。
そして、子供たちは毎年180枚の名刺(1人60枚の名刺)を減らしていくことになりました。
もともと、子供たちは名刺を1,080枚(1人360枚)しか、持っていませんので、毎年180枚減らしていくペースだと、6年で名刺がすべてなくなりました。
両親も1,080枚すべての名刺を回収して、名刺(借金)もすべてなくなりました。子供は働く意欲を失い、税金も払わなくなりました。めでたしめでたし。
このように、両親(統合政府)の毎年の収支のマイナスは、子供たち(民間)の毎年収支のプラス という原則があります。
政府がプライマリーバランスの黒字化を目指すというのは、言い換えれば民間(家計+企業)の収支を赤字にするということです。そして、毎年民間の富を減らしていくことになります。
こんなんでは、モズラー家の子供たちのように、働く気も失せて、経済活動が低迷し、結局税収を減らしてしまうことになります。政府にとっても意図しないことですね。
こんな政策では、政府は赤字が削減できて良くても、経済全体は成長しません。
プライマリーバランスの黒字化は、本当に必要なのか?⇒ デフレの世の中では必要ありません。
何のためにやっているの?⇒ 理由がわかりません。教えて下さい。
このままでは、国民は貧困化していく一方だと思います。PB黒字化は撤回すべきです。
お読みいただきありがとうございます。