世の中に出回っているお金の量はどれくらいなのか。
このお金の量の動きをみれば、景気が良くなるのか否かがわかります。
景気が悪くなる時はこのお金の量が減少していますし、一方で景気が良くなる時はこのお金の量が増加します。
お金には大きく分けて、「マネタリーベース」と「マネーストック」の2種類あります。
マネタリーベースとは「日本銀行が世の中に直接的に供給するお金」です。
これは大きく分けて、「日銀券(紙幣)+日銀当座預金」です。
日銀当座預金は、銀行との間でのお金になりますから、世の中に出回っているお金ではありません。
このマネタリーベースの動きを見ても世の中のお金の量は測れません。
一方で、マネーストックとは「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」です。
おおまかに、「現金+預金」 と覚えておくと良いでししょう。
現金は、皆さんが買い物等で使っている現金です。タンス預金も現金。
預金は、その名のとおり、銀行預金です。
では、どれくらいあるのか。2020年5月末で見てみましょう。
現金105兆円、預金1,312兆円(預金通貨770兆円+準通貨518兆円+CD24兆円)
M3=現金+預金=1,417兆円
世の中のお金といっても、ほとんどが預金なんですね。それはそうですね。全部家の金庫に置くわけにはいかないですからね。銀行に預けますね。
ではこの世の中のお金の量(M3)が、どういう動きをしているか、見てみましょう。
期間は安倍首相が就任した2012年5月から直近5月までです。前年比で見たグラフです。
2017年12月から伸び率が下がっているのがわかります。そして直近コロナ危機で貸出が伸び、マネーの総量がどんと増えています。
2017年12月くらいから、直近のコロナ危機が起こるまで、実は景気は良くなかったということですね。
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