お金ってなんだろう。
日本でいうと、例えば福沢諭吉の1万円札(日銀券)です。
ただの紙切れなのに、なぜ、物と交換できるのでしょうか。
まずは、お金の歴史から振り返ってみたいと思います。
江戸時代は、日本のお金も紙幣でなくて、小判の時代でした。
当時、世界では、金や銀など貴金属がお金として流通しており、金がお金として一番価値のある物でした。
小判は見てのとおり、黄金色をしており、金で作られています。全部金で作られているわけではありませんが。
小判は金が含まれているから、お金として世界で流通させることができました。もちろん、日本でも価値のあるもので、慶長小判は米3~4石の価値があったらしいです。
米1石は重さにして約150kg、成人男性が1年間に消費する米の量に匹敵しました。
現代の価値でいうと、5Kg=2,000円で計算して、米1石は約6万円になります。
よって、慶長小判1枚の価値(米3~4石)は、当時18万円~24万円の価値であったようです。
このように金自体が日本のお金として、世界のお金として流通していました。
金そのものに価値があったからです。
時を経て、世界のお金は金本位制へと動いていきます。
金本位制とは、自国の通貨と金を一定比率で交換することを国が保証するという制度です。
国はいつでも金との交換に応じられるように、発行した通貨と同額の価値の金を中央銀行に保管しておく必要があります。
イギリスが1816年、世界で初めて法律に基づいてこの金本位制を採用しました。交換比率は「金1オンス(31.1035g)=約3.17ポンド」でした。
日本も1897年に金本位制を導入し、当時の交換比率は「1円=金0.75g」でした。
そして、また時を経て、世界大戦後の1944年に国際通貨制度が創設され、世界の基軸通貨であったポンドに変わり、米ドルを基軸通貨に指定しました。
この時の交換比率は「金1オンス=35ドル」でした。1ドル=360円で固定されていたので、金1オンス=12,600円になります。
現在の金の価格が1グラム6,600円なので、金1オンスの価格は205,283円になります。
現在の金の価格は1944年当時の約16.3倍になっています。
しばらく、世界は金本位制のドル基軸通貨体制がとられていましたが、1971年8月に世界をゆるがすとんでもないことが起こります。
米国のニクソン大統領が「米ドルと金の交換停止」を柱とする経済政策を発表しました。
これによって金本位制は終焉し、金は通貨としての役目を終えました。
ドル紙幣は金と交換できないただの紙切れになったのです。
明日の後半に続きます。
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