景気循環同様、相場も上がったものは下がる。下がったものは上がる。以前紹介した、伊藤忠、丹羽宇一郎氏の言であるが、ここでは、現実的な経済状況と、その状況に基づく、投資戦略概要についての私見を述べたい。ご意見をお待ちしています。・・・
GM再建には、米国の企業再生ファーム、アリックス・パートナーズが支援に当たる。
日本においては、同社日本支社が日本航空(JAL)の経営改善支援を行っていることはメディアでも紹介されている。
同氏の米国経済分析が、個人的には非常に的を得ていると考えるので、概要を紹介したい。
・米国GDPの70%を占める個人消費の経済牽引力は期待できない
・その根拠は、消費性向の高い米国消費者が、本不況が終焉しても14%強は貯蓄に回す、との回答(09年3月全米5,000人アンケートより)
・また、本不況の要因である住宅バブル崩壊の現状を見ても、08年9月のLehmanSchock以降、住宅価格は30%以上下落し、下げとどまっていない
従来、米国個人消費者の貯蓄率は0%、或いは「マイナス」が平均であったと言われる。
GDPの70%を占める個人消費が、14%強も数年間(約5年間)に渡り、収入を貯蓄に回すと回答しているのだが、
これは、GDPに10%程度の下落ダメージを与え続ける。
一方で日本に目を向けると、日本経済研究センター発表の4月月次GDPは、実質0.2%減、とのことだ。
3月は8ヶ月ぶりに0.1%プラスに転じたが、内需低迷で再度、マイナスに転じてい
る。
09年1-3月の歴史的GDP対前年比−4.0%(年率ベースで−15.2%)に比較し、まだ回復しているのは、中国の政府主導の景気刺激策効果で、輸出が4月に前月比12.7%増加していることが要因だ。
ただ、4月の有効求人倍率は0.46倍と過去最低水準であり、完全失業率も5年5ヶ月ぶりに5%台に上昇した。
個人消費は、設備投資などの企業需要に比較し、底堅い。しかし、これがマイナスに転じ、その回復トレンドの兆しは見えない。
本状況下、更に、GM、クライスラー、シティー、AIG等の大型爆弾処理中の世界経済にある中で、日米の株価、特に急激な円高が進む日本国内の日経平均が、続伸している論拠は、PKO(Price Keeping Operation)、機関投資家とメディアが組んだ上での「煽り」、その「煽り」を受けての虚構の「モメンタム」にしかない、と理解する。
繰り返しになるが、相場が下げ局面に入るタイミングは近い、と考える。下げ局面
で、通常の投資スタイル(「買い」から入る投資)では、購入資産価値の毀損に繋
がってしまう。
資産防衛の意味で、CFDで、日経平均、ダウ等の米国株価指数にて「売り」ポジションを取る、或いは、一部資産だけでも、左記にAllocationすることで、今後の経済動向Volatilityリスクをヘッジしておくことを、強く薦めたい。