09年5月26日(日本27日)、GMは無担保債務270億ドル(=約2兆6千億円)削減交渉が暗礁に乗り上げ、連邦破産法第11条適用申請の可能性が高まった。本事項については、各メディアが顛末、背景について、仔細を報道している。本ブログではその概要のおさらいに加え、今後、GM破綻が及ぼす世界経済への影響、そして、その経済状況下におけるCFD取引の戦略仮説について、述べて行きたい。
まずは、今回のGM債務削減交渉決裂の顛末について、おさらいから始めよう。
GMが米連邦破産法11条適用申請から逃れるために、交渉妥結しなければならなかったのが、債権者2グループである。
片方はUAW(全米自動車労組)。約200億ドルの医療保険への拠出金削減を巡る交渉。
もう片方はGM社債などの無担保債務の債権者集団。270億ドル債務削減を巡る交渉。
内、UAWとは、5月21日、一応の交渉妥結(基本合意)までこぎつけることができ、29日正式合意に至った。
約200億ドルの医療保険拠出金50%削減(約100億円)と、その代替としての最大20%のGM普通株式の付与、及び65億ドル分の優先株の受け取り、が条件である。
UAWに対して、GMは、いわゆる「死に体」企業が起死回生の一発を狙う際に、良く活用するDES(Dead Equity Swap)のカードを切り、合意を取り付けた格好だ。
一方、無担保債務の債権者に対しては、債務270億ドルの90%(240億ドル)削減と、その代替として債権後の新生GM普通株式10%の付与する案を提案していた。
この提案に、債権者の9割の合意を必要としていたが、26日、最終的に債権者の合意は1割にも満たず、「拒否」された形だ。
しかし、交渉条件で提示されている債務削減金額、及び対価としての株式数の数字だけ見ても、明らかにUAWに対して提案した条件より劣悪である。
数々のメディアでも報道されているが、無担保債務の債権者の中にはCDS(Credit Default Swap)により、破綻時その損失が補填されるヘッジファンド等の機関投資家も多く含まれていると言われる。彼らが最終的に合意せず、今回、6月1日の連邦破産法11条申請が確実化された、と見るのが一般的である。
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